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フェイクニュースと陰謀論【フェイクニュースの見分け方】

0.はじめに

ネットでニュースのコメントを見てると、

しばしば、フェイクニュース陰謀論という

言葉に出会います。

2020年のアメリカ大統領選挙の時に、

トランプ前大統領が、フェイクニュースだ、

都合の悪い報道を流すように陰謀が仕掛けられている、

というのが、近年では印象的です。

最近では、コロナウィルスのワクチンに対して、

様々な情報が本当に氾濫している状態です。

 

何が本当で、何が嘘かわからない、

コメントやリツイートしてる人ですら、確証はないまま、

情報の発信、再発信を繰り返すから、さらに混乱します。

 

メディアの特性を掴み、

情報と上手く付き合う必要がある、ニュース・リテラシーについては、

以前の記事

「ニュースの作られ方を知り、ニュースを読む」で紹介しました。

(記事最後の「関連記事」でリンクを張っています)

 

本来は、テレビニュース、新聞、雑誌、書籍など、

同じマスコミでも、媒体の違いが、情報の切り口にそれぞれの特徴があったものが、

ネットでどれも同じ形で入ってきてしまうため、

読む側が混乱しているところもあると感じます。

 

今回は、その中で

フェイクニュース陰謀論について取り上げた本を紹介します。

ネット時代の、というよりは、普遍的なニュースの読み解き方を

わかりやすく示している本です。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

フェイクニュースの見分け方」(新潮新書

著者:烏賀陽 弘道(うがや ひろみち)さん

烏賀陽さんは、フリーのジャーナリストになります。

朝日新聞AERA出身なので、本の内容には触れず、

入り口で拒否反応を示している書評コメントなどもありますが、

近年では、報道批判や原発関係の取材に基づいた著書が見られます。

私は、特に情報関係の読書は、特定の著者に心酔しないで、

色々読んでみるタイプなのですが、

書く側の視点だからこそわかる、情報の見分け方が参考になる本でした。

 

2.内容まとめ

今までの誤報道の事例から、

ニュース報道の見方を解説しています。

書く側の視点に触れ、根拠の明示や、不必要な修飾、

偏向がないかなど、読みどころが理解しやすくなります。

 

また、書く側だけではなく、読む側への記述も興味深く、

陰謀論陰謀史観の持ち主の特徴に関して

分かりやすく紹介されています。

フェイクニュースは、間違った情報を発信している、

発信側の問題と考えられがちですが、

受け取る読み手が、正しく理解しない、理解できないことも

問題だとしています。

 

タイトルを面白くしないといけないことは理解の上ですが、

ニュースの読み方全般に通じる見方をわかりやすく提供している本だと思います。

 

3.感想とまとめ

発信されている情報を鵜呑みにしない、というのは大事ですが、

読み手が、見分け方を適切に知り、多面的に読み込むと同時に、

過度な先入観を持たないことも大事です。

 

陰謀論者の特徴で、一番興味深かったところで、

・自分たちが利益を得た場合は陰謀論は登場しない、

 自分たちに不都合な情報や状況が生まれた時に、陰謀があると主張する

という内容の記述があり、とても興味深いと思いました。

 

本来、自分が自分の為だけに作った陰謀でなければ、

自分に都合がいいことだけではないのは明らかなはずですが、

なかなかそこには気づくことができないのが、難しいところです。

 

また、情報はニュースだけではなく、

推論や予測、筆者の個人的な見解、仮説や展望などもありますので、

あくまでニュースで、全ての情報に対して、

明確な情報以外は受け入れない、とはならないように、

頑なになりすぎないことも大事だと思われます。

 

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