一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

少しでも心のモヤモヤが晴れて、心が優しく、強く感じられるように。

声が小さい人の発信に向かい合う【「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。】

0.はじめに

「声が大きい人」という表現が使われます。

大きな声で喧伝してまわる人、発信力がある人、

強い立場を利用して、自分の保身を強くはかる人、

という人たちを表現している言葉で、

あまりいい意味ではない受け取り方をしてしまいます。

 

今回紹介するのは、「声の小さい」側の人たちを

取材されてる方を取材されたノンフィクションです。

 

声が小さい理由は様々です。

・いいにくいデリケートな問題である。

(伝えたいこととは別の部分が興味本位で見られてしまう)

・声に出すことで、自分も傷つけてしまう。

・少数派である。

・声が大きい人の主張にかき消されてしまう

などですが、この様な場合は、情報の見方を

変える必要があります。

大きな数のデータが揃えやすい問題ではなくなったり、

客観的に見にくくなってしまうことを、最初から理解して

情報に臨むべきだということです。

書籍も、個別の案件を掘り下げる形式のものが多く、

事例の数の多さや、大きな母数のグラフなどが

当然示しにくく、主観的にならざるを得ない側面もあります。

 

声が小さい方の意見は、非常に大事だと考えています。

実際には、大きな問題と同じ縮図が入っていることも多く、

少数派の問題ではないことと、

社会の問題は、声の小さい人に集中してしまいやすいからです。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。(タバブックス)

著者:小川 たまか さん

小川さんは、フリーライターで、性暴力やジェンダー問題での

記事が多く見られる方になります。

ヤフーニュースにも、記事がたびたび掲載されていらっしゃるので、

ネットニュースをよく見る方は、聞いたことがある方かもしれません。

最近はthe letterというサービスで有料記事を読むこともできます。

 

2.内容まとめ

母子家庭、性暴力、痴漢、セクハラ、DV、年齢差別など、

一般にはふれにくいとされている問題に切り込み、

問題を提起しています。

「けれど構造に物申し始めた時、世界は一変する」(著書内より引用)

とあるように、単なる被害者の取材レポートではなく、

なぜ、それが起こるのだろうか、という原因にも言及をされています。

 

被害の原因のほとんどは男性なので、

男性の人には、耳がというか目が痛い本だと思いますが、

ニュースなどには出てこない、貴重な取材と、

それに対する丁寧な考察が挙げられます。

大勢の論理では、ほとんど出ることのない話は、是非、読むべき内容です。

 

3.感想とまとめ

・積極的に言いたいことではないこと

・世の中的にもなかったことにしたいこと

が書かれているのですが、

なぜ、人に言いたくなかったのか、

そして、世の中はほとんどなかったことにしたいのか、

について、考える提起をしてもらえます。

 

特に、男性が女性に対して行う暴力や、性犯罪に関しての

加害者のコメントは、多分男性だと思われるユーザーからの

ネットでも多く見られる意見だからです。

美人やかわいい人が、性の対象にされてしまうのが、

しょうがないという風潮や、開放的なファッションなどが、

男性を対象にしていると考える勘違いで、

そんな恰好してるから痴漢をされるのだ、という意見は、

よく見られます。

 

考え方が違い過ぎて、認識の違いにすら気づけないと思われる

相手には、話す気も失せてしまう、

特にジェンダー問題は、その傾向が強いと認識させられます。

 

どこかで、現状を当然と居直っている風潮が、

男性と、一部女性に見られて、

単純に、男性対女性の二項対立で解消できない難しさと、

どこかで、平等ではなく、

「心の広い、男らしい男性が、弱者である女性に、ゆずってあげている」

という感覚を持ち続けている面があって、

障害者差別などにも、同様の意識が見られると考えています。

「健常者が、弱者である障害者でも暮らしやすい社会を作ってあげなくてはいけない」

パラリンピックに対して、堂々と話す人もいます。

 

全ての問題が当てはまるとは思いませんが、

・差別感情

攻撃機

でも、加害者の感情は読み解き、少なくとも自戒には

つなげたいと強く感じました。

男性向けと思われがちですが、女性も読むといい本だと思います。

 

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