一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

少しでも心のモヤモヤが晴れて、心が優しく、強く感じられるように。

みんなでいじめを「自分事」にするやさしい本【いじめ 心の中がのぞけたら】

0.はじめに

いじめ関係の書籍は、どうしても

加害者、被害者、傍観者、両親・教師・行政などの関係者、

の関係性と、はっきりした事例を揃えて、

白黒つけて、しっかり検証するような傾向はあります。

極端な事例がニュースになって、

報道もよりセンセーショナルになったり、

その反応もより過激になっていきます。

事件や、被害のエスカレートもあるかと思いますが、

報道が興味本位をくすぐる構成に走っていることも一因だとも思います。

 

考えてみると、まだまだ私の不勉強かもしれませんが、

いじめの入門書的に、

いじめてる人も、いじめられてる人も、そうではない人も、

みんなで読める本は、結構少ないと思います。

 

そんな中で、今回紹介する書籍は、

誰でも読める、おススメの本だと思います。

アマゾンの書評などで、図書館で

いつも貸し出し中になってる、などのコメントもあり、

読む人が多くて、とてもいいことだな、と思います。

子どもだけではなく、

子どものいるいないに関係なく、大人も読むべき本だと思います。

ちょっと嫌なことがあった時でも、

読んで、ちょっと明日も何とか生きてみようかな、

と優しくなれる本です。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「いじめ 心の中がのぞけたら」(朝日学生新聞社

作者:本山 理咲さん

本山さんは、絵本などをはじめ、複数のマンガ作品があることが、

作品内で紹介されています。

この作品は、連載が15年以上続いているロングラン作品です。

 

2.内容まとめ

この書籍は、マンガ作品になります。

朝日中学生ウィークリーという新聞のいじめ伝言板という投稿欄に

寄せられた投稿を元に、作者が創作している、連載マンガです。

中学生のいじめに関わるストーリーが載せられています。

フィクション、創作かと思われるかもしれませんが、

読まれたらわかりますが、

面白おかしく脚色している創作とは違う様子がうかがえると思います。

個人や学校の特定などが起こりにくい様に、

などに手が加えられてる程度なのでは、と個人的には考えています。

asagaku.com

1作品あたり6ページの

ショートストーリーがたくさん載っている形式で、

無理なく読み進めていくことができます。途中でも休みやすいです。

ストーリーの種類もたくさんあり、

いじめられている人の視点、いじめてる人の視点、傍観者の視点、

だけではなく、いじめをやめるように呼びかけた話、

先生とのコミュニケーションの話、親との話、

はっきりしたいじめではなく、漠然とした不安やストレスの話、

など、様々なストーリーがあります。

 

1巻は、ジャンル分けされて話がまとめられていますが、

2巻以降はカラー化され、ジャンル分けされない形で並べられています。

個人的には、色々な立場やストーリーを、構えずに素直に見られる様な

イメージで、とても読みやすくなっていると思います。

7巻まで発刊中で、連載はまだ続いています。

早い巻でも、最新の巻でも、いじめに関しては15年の差はあまり感じません。

巻の順番にこだわる必要はなく、気に入った巻から読み始めればいいと思います。

 

3.感想とまとめ

どうしても、いじめは「悪いこと」だからしてはいけません、

が基本の教え方になるので、

現実には、多かれ少なかれいじめは起き続けていても、

いじめを身近にすることは、なかなか難しく、ついつい構えてしまう

という現象は、特にいじめを取り扱う先生や行政、企業側にはあると思います。

 

また、直接関わっていない人は、かかわりを避けて、

ついつい他人事にして目を背けてしまうことも多いと思います。

ただ、どこかでは、何かしらいじめには傍観者も含めて、

関わった経験を持っている人がほとんどだと思います。

 

今回紹介の本は、中学生向けですが、

大人の社会にも簡単に投影できる内容です。

子供向けの教育マンガと捉えてしまわずに、

いじめについて考える、いいきっかけになると思います。

過去をつらく思い出したり、後悔する必要はないと考えますが、

なかったことにしてしまったり、他人事にはせず、「自分事」に

優しくできる、そんな本だと思います。

 

作品内のストーリーは、必ずしもいい結果で終わる話だけではなく、

悩んだ状態で終わっていたり、時間が解決したり、

長年思い煩っていたり、とてもリアルな内容ですが、

押しつけがましさは感じにくい構成だと思います。

是非、一度手に取ってもらって、読むべき本だと思います。

 

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