一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

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「無理ゲー社会」著者による、皇室問題へのヘイトコメント批判【無理ゲー社会】

0.はじめに

この記事を書いているのは2021年10月初旬ごろになりますが、

ネットでは、皇室の方の結婚問題で沸いています。

 

多くは、結婚相手の方の母親の金銭問題が解決できて無い為、

皇族の方との結婚が適切ではない、との問題からの結婚反対に

端を発したコメントで、エスカレートが続いていて、

批判からヘイトスピーチに変わってきています。

 

今回は、ベストセラーの「無理ゲー社会」の書籍紹介ですが、

著者の橘玲さんは、ツイッターで、

今回の問題への行き過ぎたネットでのコメントに、

ツイートしています。

対象となった記事は、下記の記事です。

ヤフーは記事が消えるのも速いので、発信元のサイトにリンクしています。

otonanswer.jp

 

ツイッター内での、「公にかかわる」と思わせるコメントは、

皇室問題に対する、SNSのコメント内に、

「税金を使って」などの記述がよく見られることが裏付けにできます。

税金の使い方については、税金からお給料をもらう人には、

納税者は何を言っても構わないという解釈から、

ヘイトコメントを書いている人が、これは誹謗中傷ではなく、

正義のコメントだ、と考えるポイントだと思われます。

 

正義のつもりのコメントが炎上を生んだり、

過激になっていくことについては、

これまでにも、正義のエスカレートについての記事で、

ネットで感情が増幅されてしまう現象について紹介しています。

(記事末の関連記事、「正義のエスカレート」)

 

いずれ、この問題についても、書籍で論じられるかもしれませんね。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「無理ゲー社会」(小学館新書)

著者:橘 玲さん

橘さんは、小説も含めて、資本主義、
経済問題に関する書籍が多い作家の方です。
切り口が斬新で面白いのですが、センセーショナルな内容も
多いので、アマゾンなどでは、評価が両極端になる、
特徴的な方だと思います。
小説の「亜久夢先生」シリーズは面白いですよ。

 

2.内容まとめ

資本主義と自由主義は進みリベラルな社会となり、
自由な生き方、自分らしい生き方ができるようになりましたが、
反面、自分の努力と能力次第、という環境は、
遺伝や、経済状況、知識や能力によって、格差が拡大してしまう
社会にもなっていることが書かれています。
 
また、上級国民、下級国民という言葉を、
自分らしく生きられるかどうかで分ける定義をしています。
良い環境が成功する確率とつながっている現実を紹介し、
能力主義は、成功するチャンスも生む代わりに、
成功できなかった自己責任も生んでしまうことにふれています。
厳しいながら、目を背けにくい現実を目の当たりにされる一冊になっています。
 

3.感想とまとめ

実際には目を背けることはできない現実をセンセーショナルに
説明している本になります。
経済関係に詳しい著者ならではの、感情的に見てしまう内容を
冷静にというかシニカルに見せつけます。
書評が分かれる点なのは、あまり解決につながる内容は見受けられない点です。
また、学者などの専門家ではないので、炎上商法的だと論じるコメント、
小説家の面白おかしいフィクションと捉える意見もあります。
私の感想としては、読んでも損はない、面白い切り口だと感じています。
 
また、同じ著者の別の書籍では、
この良し悪しのある現代のリベラルな社会で、
幸福に生きることについて書かれています。
書く人一人、本一冊で解決する問題ではありませんが、
この本一冊では閉そく感を感じてしまうかも、と思う方は、
セットにして読むと、解決への希望が生まれると思います。

 

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