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批判的思考(クリティカルシンキング)とは【批判的思考 21世紀を生きぬくリテラシーの基盤】

0.はじめに

ビジネスの中で重視されている思考で、

・論理的思考:ロジカルシンキング

・批判的思考:クリティカルシンキング

という言葉がよく出てきて、

コミュニケーション能力と並んで、

必要なビジネススキルと取り上げられています。

ビジネス本などでも、たくさん取り上げられている用語になります。

クリティカルシンキングという言葉も、

ゲームのクリティカルヒットみたいに、必殺技的な印象を感じて、

目を引く言葉ですよね。

 

以前の記事で論理的思考については、

わかりやすく解説されている書籍を紹介させていただきましたが、

難しそうと思われていますが、あまり意味の誤解は少ないと思われますが、

一方の批判的思考については、かなり誤解が見られる時があります。

 

「批判的」という文字からの印象だと思いますが、

物事を単に批判的に見て、批判する能力を高くして、

相手を攻撃すること、他人を言い負かすことを批判的思考と

勘違いされている向きは見受けられます。

今回は、その批判的思考を解説された専門書の紹介になります。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

批判的思考 21世紀を生きぬくリテラシーの基盤 (ワードマップ)

著者:楠見 孝さん 道田 泰司さん

共に、心理学の専門家の方の共著になっています。
他にも、情報学、心理学、哲学では、様々な専門家の方が
寄稿されていますので、
専門書としても、情報の厚みがあると感じる本です。
 

2.内容まとめ

一言で「批判的思考のバイブル」と言い切って過言ではない本です。
・批判的思考の様々な面からの定義、リテラシーについて
・批判的思考の教育
・社会の中での批判的思考、応用について
が詳しく解説されています。
セクションによっては専門の方々が書かれている部分もあります。
教科書(として考えられているのだとも思いますが)のように、
テーマごとに小単元がまとめられているので、
難しい内容ながらも、区切り良く読み進められます。
 
とても読みやすいのは、脚注が同じページの文章の下の部分に
書かれていて、専門的な言葉の解説がすぐに参考にできるので、
専門書ながらも読みやすい工夫がされています。
 
多人数による共著なので、個人的な見解が推し進められることはなく、
批判的思考が多面的に理解できる、確実な一冊だと思います。
ビジネス書にある、かいつまんだ感じのクリティカルシンキングの本とは
ちょっと違います。
他の論理的思考(ロジカルシンキング)も合わせて読む際にも、
べースになる一冊です。
 

3.感想とまとめ

冒頭で、批判的思考が、相手を攻撃するだけの批判とは、

まったく逆のものであるとふれています。

批判的思考を理解する為に、

「批判」-「合理性」-「反省性」の三角形をイメージすることが、

解説され、定義がすすめられていきます。

以前に記事で紹介させていただいた論理的思考にもふれられ、

批判的思考の位置付けは、論理的思考との親和性が高いものと位置づけされています。

 

他にもバイアスやメタ認知など、これまでの記事で紹介させていただいた

書籍でも取り上げられている用語にもふれられて、

知識の統合も行われるので、その面でも大変いい本です。

ちなみに「メタ認知」は、

自分自身を他人が見るように客観的に分析することです。

自分が正しいと思い込んでいる人、自己中心的な考え方の人は、

メタ認知ができていない人だと言われています。

当然、批判的思考の中には、他人の話を受け入れ、

客観的な視点と、自分への内省から批判的思考に基づいた意見が

生まれるというベースがあるため、

メタ認知は欠かせない要素として挙げられています。

 

以前の記事で紹介させていただいた、論理的思考の記事で、

「論理的思考と交渉のスキル」

にある、交渉ごとなど実務への活用は、上記書籍の方が詳しいと思いますが、

論理的思考と組み合わせて、

批判的思考が詳しく理解できる書籍だと思います。

 

専門書になると思うので、難しい内容をわかりやすく、読みやすくする

配慮は十分にされていますが、ちょっと腰を据えて読む覚悟は

必要かもしれませんが、十分労力に見合う知識は得られる一冊だと思います。

 

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