一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

少しでも心のモヤモヤが晴れて、心が優しく、強く感じられるように。

「コーネリアス炎上事件とは何だったのか」を読んで

0.はじめに

東京オリンピックの開催直前に起こった、

小山田圭吾さん(コーネリアス)の

過去の雑誌インタビュー記事で書かれていた、

自身がいじめに関わっていたことからの批判、

オリンピックの音楽担当からの辞任に至った問題は、

ネットとワイドショーでの炎上から、当面の活動も休止され、

オリンピックも開催に至り、

報道とネットはいったんの収束を見ました。

今では、オリンピック、パラリンピックの選手の活躍の余韻を

楽しみ、当時の炎上騒動は忘れられはじめています。

あれだけ起こっていたオリンピック反対運動を検証や総括する

動きも待たれるところです。

 

個人的には、この件には総括、検証の記事や本が出て、

終わった後にあらためて、何が起こっていたのか知りたいと感じていました。

やっと、発信がはじまりましたので、紹介したいと思います。

マスコミの報道、ネットでの炎上のこと、オリンピックの事、

どこに問題があったのか、を丁寧に書いている本だと感じました。

他の側面からの書籍があれば、もちろん読んで、よく知っていきたいと思います。

 

今、ネットで炎上中の皇室の方と一般の方の結婚問題なども、

後で論じられる検証などは、よく追いかけていきたいです。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

コーネリアス炎上事件とは何だったのか:

 メディアリテラシーが試されるとき」

著者:大月 英明さん

著者の大月さんは、情報工学を専門とされている、

現在大学講師として紹介されています。

私は電子書籍で読みましたが、電子書籍でも100ページちょっと

だったので、読みやすい分量の書籍だと思います。

 

今回の目次です。

 

2.内容まとめ

著者は、今回の小山田圭吾さんへのバッシングについて、

かなり過度な面があり、過度な面の再発を防ぐねらいから、

その検証を行うねらいが説明され、

書籍が書かれていることの理由から始まります。

 

検証中の文章に主観的な表現は少なく、物語的な演出もなく、

何が起こったのかを、誰でも理解しやすいように

出来事の検証と解説が続きます。

小山田圭吾さんがどのような経歴の方なのか

・問題となったインタビュー記事

・マスコミの反応

・インターネットでの反応

・批判の問題点(論点のズレなど)

・再発防止

最後に、著者の感想と、

これまでに起こったネット炎上事件が参照に挙げられています。

 

また、この事件の特徴は、オリンピックの開催の賛否を問う中に、

都合よく織り交ぜられてしまった点にあり、

その問題点も挙げられています。

 

報道やネットの炎上に対して、違和感や嫌悪感を感じていた人はもちろん、

よく知らないままだった方も、

また、他のネット炎上事件を読み解くためにも、

とても有効で、興味深い一冊だと思います。

 

今起きてしまっていたり、

これからも起きてしまうであろうネットでの炎上に対しての

見方や考え方にもつながる一冊です。

 

3.感想とまとめ

批判の元になった記事をよく読まずに、

恣意的に書かれている個人ブログなどからニュースを作ってしまっている

報道はこの炎上の大きな問題の一因だったことがうかがえます。

よく、ネットニュースの記事では、

引用元を調べてみると、一般の方のツイッター投稿や

匿名掲示板のコメントを、あたかも世間一般の風潮のように書いて、

記事にしているような粗悪なものも見られます。

情報はあくまで発信する側だけではなく、受け取る側がいて、

はじめて情報になりますので、受け取る側の認識もとても大事になります。

この本でも、また別記事で紹介させていただいている、

メディアのリテラシーを、ニュースを受け取る側も

受け取る側のリテラシーとして、双方よく考えるべきだと感じます。

 

全てのニュースに検証を加える必要まではないのかもしれませんが、

匿名、顔出しに関わらず、ニュースに対して、

何らかの主張を発信する際は、その責任は伴う前提で、

発信する必要はあると思います。

匿名でも、書かれた主張は、世の中に発信されて、

誰の目にでもふれてしまう可能性を持っているからです。

 

また、ネットで多く見られた主張の論点のズレにもふれています。

誰が何を「許せない」のか、その主張に妥当性があるのかを整理できないまま、

一方的な批判として発信される問題は、

ネットコメントの総論につながることだと感じました。

 

ネットでのコメントなどでは、

主語を「国民」としているコメントもよく見られます。

自分が考えていることは正しく、国民の多数派の考えと認識して、

書いていることがうかがえるものと感じています。

「国民」とするなら、何に基づいて、どれくらいの国民の意見なのか、

ぐらいは書いてほしいな、と思ってしまいます。

少なくとも、ネットでニュースに対して積極的にコメントする人は、

少数派であるというのはネット使用者人口に対してのコメント数から

見ても、それぞれのサービス使用者数から見ても、

理解できることだと思います。

 

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