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なぜ戦争ってしたいのだろうか【日本会議 戦前回帰の情念】

0.はじめに

12月8日は開戦記念日でした。

終戦記念日は有名ですが、開戦の日って終戦よりは取り上げられなかった

印象でしたが、今年は、結構テレビ番組でも取り上げられたいた印象です。

 

取り上げられていた内容として見られたのは、

・軍内部でも反戦の為に動いている人たちがいたこと

(やれば負けることがわかっていたいた人たちが少なからずいたこと)

・開戦する人たちに、途中休戦や、敗戦のシナリオ戦略がなかったこと

反戦を意図した資料が、別の侵略戦争に曲解されてしまったこと

・民衆は往々にして、都合のいい情報を信じて開戦ムードだったこと

・最初は軍人だけが闘うと思って賛成していた民衆が、

 徐々に自国内と、自分たちへの負担が過度に迫ってきて、

 「何か違うな」と思ってきた時にはもうズブズブで抜けられなかったこと

などでした。

 

ただ、戦後80年の現代でも、世界中ではキナ臭い話ばかりです。

足元の日本でも、軍事力の強化、尖閣問題が発展すれば、

戦争やむなし、という論調まで多く見られます。

 

また、もう一つ非常に気になるのが、歴史修正に関わる問題です。

これも世界中で起こっていますが、

日本でも戦前・戦中の日本・日本人に不利な情報を

なかったり、解釈・記述を変えてしまうことが相次いでいます。

 

今回紹介させていただくのは、

よく歴史修正主義で議論に挙がる、「日本会議」に関わる書籍です。

日本会議は、3万人以上が加盟する政治団体で、

政治家をはじめ、学者の方なども構成員にはいらっしゃいます。

 

その主張や活動は、双方および他方面から見るべきではありますが、

一冊紹介させていただきます。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

日本会議 戦前回帰の情念」(集英社新書

著者:山崎 雅弘さん

山崎さんは、戦史・紛争史の研究家と著書内で紹介されています。

太平洋戦争を分析する書籍が多く紹介されています。

 

2.内容まとめ

日本会議に関する系譜、思想が解説されています。

 

序盤は、安倍前首相が日本会議の思想に強く傾倒されていたことから、

安倍政権と政治思想と日本会議の結び付けが多く行われています。

実際には、前菅首相、岸田首相など、

近年の政治の主要ポストは、ほぼ日本会議に加盟している人な

ことも記されています。

 

中盤は、日本会議のなりたち、思想・理念が解説されています。

神社本庁との深いつながり、

戦前、戦中の国内、海外政策への深い傾倒と継承が詳しく解説されます。

 

終盤は、よく政策で挙げられる、憲法問題と

日本会議の思想理念との関係性について論じられます。

なぜ日本国憲法を変えたいのか、またどのように変えたいのか、

などが述べられています。

 

3.感想とまとめ

日本会議に関する書籍は、2016年に集中的に発刊されました。

憲法改正論議が盛んになったことと、

その年にあった選挙で、自民党政権に対するカウンター目的と

日本会議側は発信しています。

確かに、時の安倍政権と日本会議の結びつきの批判は多く行われて

いたように思います。

 

この本も、前安倍首相と日本会議の関係性に関わる項目は

多く見られますが、現在なら自民党と読み替えても問題ないくらい、

現在の政治との関係性はわかりやすく理解できます。

比較的、フラットな目線で書いている印象で、

この問題に興味を持った時にも、早めに読んだ方が目線が維持しやすいかな、

と思われます。

 

著者も、日本の伝統・文化を尊重する側面での日本会議の活動は、

評価できると著述されていて、日本会議憎しの書籍も散見されますが、

あまり、そのニュアンスは感じにくいと思われます。

 

反面、著者の専門が戦争・紛争問題の研究であることもあり、

戦争の正当化や歴史修正の面では、指摘が重なります。

 

確かに、歴史は勝者が作る側面はありますが、

敗戦だったのも事実、たくさん殺し、殺されたのも事実なので、

その理由、いきさつが何であれ、

戦争がもたらす事実を正しく認識すること、

経済も物資も世界との関わりの中でしか成立できない日本の

現在の様々な立ち位置と現状を見ることができず、

現状認識ができない団体なら、そもそも政治」団体足りえないのではと

感じてしまいます。

 

また、日本会議関係の書籍では、神道関係との深いつながりが

もれなく書かれていますが、

客観的な事実に対して、その関係性を読み解き、行動の指針とする

イデオロギーは、一種の宗教であると論じる見方も多く、

真の意味での政教分離は難しいと思われます。

 

イデオロギーの中で、多様化を許容するのか、

多様なイデオロギーを許容できるのか、

どちらが先なのかはわかりませんが、

一つの思想の寡占状態は良くないことだと感じます。

 

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