一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

少しでも心のモヤモヤが晴れて、心が優しく、強く感じられるように。

自分を許す方法を知り、ネットの悪意からの防御法も知る【身勝手な世界に生きるまじめすぎる人たち】

0.はじめに

ネットで他人を許せない人が、非難や誹謗中傷を繰り返してしまう、

「正義中毒」という話については、他の記事で紹介させていただきました。

 

今回は、「自分を許せない」という症状から、自分を解放する方法に

ついてふれた書籍の紹介です。

自責、自己嫌悪、罪悪感、無力感など、自分への責めが厳し過ぎると、

生きることが非常につらくなります。

 

また、他人を許せない原因が、自分を許せないことに、

端を発しているケースもあると言われています。

この書籍では、他人の怒りから身を守る考え方にもふれています。

ネットでの強い社会批判や、エスカレートしてしまった

非難、誹謗中傷への解決につながり、

巻き込まれない心の対応策に、この本の内容が、

とても有効な手段ではないか、と感じます。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「身勝手な世界に生きるまじめすぎる人たち

 罪悪感を手放して毎日をラクにする方法」(単行本) 
著者:イルセ サン さん

イルセさんは、デンマーク心理療法士で、
メンタルヘルス関係の著書が複数和訳、出版されています。
著書内でもふれられていますが、牧師もされていたそうで、
人の苦しみや悩みに多くふれられての経験から導かれていると
感じられる面がありますが、
ただ、別にこの本では宗教的な言葉や表現はありません。
 

2.内容まとめ

巻頭のチェックリストからのメンタル状況把握、
「罪悪感」を定義し、知るところからはじめ、
感情に向き合いながら、ルールの中で罪悪感を分析し、
自分を見直して、感情のコントロールに向かい、罪悪感から抜け出して、
苦しい心を解放する、という流れで解説されています。
 
具体的な事例での状況説明と、
各章ごとにエクササイズがあり、理解が深まります。
エクササイズといっても答えや答え合わせがある訳ではありませんが、
本の中の話ではなく、自分事にしてみる有効なエクササイズだと思います。
エクササイズの後には、まとめが有り、復習効果も意図されています。
巻末には、読み直しにも戻りやすい要約もついています。
 
セラピストの著書の方ならではの視点だと思うのですが、
どうしても、他人の話で事例を知らざるを得ない中で、
頭の理解だけで読み流してしまうそうなところに
対して配慮されているな、と感じる、とても読みやすい本です。
 
文字数は多くないのですが、
エクササイズを行うと、本を読み返し、考えてしまうので、
しっかり読むと、読むのに時間がかかる本です。
ただ、罪悪感に悩む人も、他人の怒りに触れてる人も、そうではない人にも、
とても参考になるいい書籍だと思います。
 

3.感想とまとめ

記事の冒頭でふれた、

自分を許せないことに端を発する、他人への攻撃感情が
出てしまい、連鎖してしまう現象について、
「犠牲者の罠」という表現で解説されています。
 
自己批判に向かい合うことを拒否していまい、
自分を犠牲者として、その責任を他人や社会になすりつけてしまう
心理作用にふれています。
一部引用させていただきますと、
「影響力や権力を持ち、敵を押しやるために、完全に無意識で「犠牲者」
 というポジションをとろうとする人もいます。」
という記述をはじめ、多くは自分に解決のカギがあるのに、
自分をいつまでも犠牲者と捉えていると、いつまでもその罠からは逃れられない、
と解説されています。
 
著書内では、他の人に文句をいい、自分のことをあくまでも犠牲者だと、
いう人に会った時に、一番大事なのは、
「犠牲者に対する自分の反応を知り、自分自身をケアすること」で、
同情により、犠牲者の連鎖や怒りの増幅を生むのではなく、
自分自身を守りながら、自分自身の限界点を決めて、
相手と状況を変える為の話を行うことだと説明が書かれています。
 
これは、ネット上でも嫌な感情に巻き込まれない対処法に
つながる考え方だと考えています。
ネットでの横行する様々な不満に対して、
意見で対抗したり、同情で同じ怒りに巻き込まれることもなく、
自分自身の心に起きてることを分析して、メンタルを守ることを一番にして、
その後にできることを、と個人的には解釈しています。
 
自分を楽にすることに主眼を置いている本ですが、
内容を理解することで、他人に毒されないことでの、
メンタルヘルスにもつながることにふれられているところが、
具体例も含めて紹介されている部分もあり、
非常に興味深い見解だと感じる本です。
 

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