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統計のウソを見破る方法【統計でウソをつく法】

0.はじめに

ニュース、ビジネスプレゼン、議論の場で、

内容、主張に論理的な根拠や信頼性を高める為に、

統計やグラフなどの数字を用いた資料をよく用います。

文章だけでは、思い込みの主張と感じられてしまうことも

あるため、もはやデータの提示は必須で、

信ぴょう性がないプレゼンや議論だと思われてしまうぐらいです。

 

しかし、資料としているデータが適切かどうかについての

検証はあまり行われることなく、鵜吞みにされてしまうことが少なくはなく、

結果、間違った主張が信じられてしまったり、

間違った議論が行われてしまっている現実もあります。

 

今回紹介するのは、統計のトリックを紹介している書籍になります。

ロングセラーで、初版は1968年ですが、2020年にも増刷されています。

数学の知識はそんなになくても、わかりやすく読み進められます。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「統計でウソをつく法」 (ブルーバックス)
著者:ダレル・ハフさん

社会心理学統計学、心理テストなどを研究されていた方だと
紹介されています。
 

2.内容まとめ

統計のトリックの方法、見破る為のテクニックが
実例を示しながら解説されています。
古い本、と何度も書いてしまっていますが、
今でも非常に多く使われているトリックだと気づかされます。
 
紹介されている中のトリックの一つで、
典型的な例だと、年収・賃金などがそれにあたると思います。
よく平均年収と言われると、一番多くの人がもらっている
年収の目安だと思われますが、
平均だと、全員の年収を足して人数で割っただけですので、
一番多い年収帯とは異なる結果となることもあります。
ちなみに、厚労省のデータだと、
男性全体の平均年収は約570万ですが、
一番多い年収帯は300~400万円になり、結構差があります。
中央値を使えば、人数的に一番真ん中の人がいくらなのかわかりますよ、
ということが解説されています。
 
以前別記事で、「普通」についての話を書き、
婚活サイトの「普通の男性」が実は全然いない、という小話を
書きましたが、平均年収を普通と信じてしまい、
さらにちょっと願望も足されてしまって、高い年収になってしまって、
少数派になってしまうという訳です。
 
他にも、わかりやすく、そしてだまされやすい
統計のトリックが多く、挙げられています。
読むことで、新聞や雑誌の見方が変わってくると思います。
 

3.感想とまとめ

「統計のトリックをまとめた古典」という印象ですが、
ちょっと似た印象の本に、
手品のトリックを解説しているものを感じてしまいます。
もちろん、最新技術を駆使したテクニックもあると思いますが、
だいたいは、古典的ないわゆる基本を踏まえて、
新しいトリックが考えられていることが多いので、
トリックの基本は知っておくと、かなり今でも使われていることが理解できます。
基本的な理解だけでもトリックの糸口はわかるきっかけになります。
 
また、数学的な知識がほとんど要らないので、
誰でも読み進められるので、入門書にはもってこいだと思います。
 
ブルーバックスは理系の本と思われがちですが、
読みやすい本も多く、発見も多い新書シリーズなので、
図書館や本屋さんで、タイトルを眺めたり、
興味あるタイトルの読めるところだけのトライだけでも楽しいですよ。
 

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