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バイアスに気づく【バイアスとは何か】

0.はじめに

バイアスとは、先入観や偏りを示す意味合いが多く使われて、

「バイアスがかかっている」とは、

先入観が入っている、というニュアンスで使われています。

 

今回は主に「認知バイアス」いう心理学用語で使われる内容に

ついて、わかりやすく説明した本について紹介します。

 

人間の認識力は、全てを体験や実感していては、

多分、昔の時代には生命の危険にさらされてしまうので、

ある程度の情報から先入観を持ってガードしてしまうことが

知られています。

ただ、情報のやりとりやコミュニケーションにおいては、

この認知バイアスが歪みを引き起こしてしまって、

お互いに上手く伝わらない、

果ては、そもそも聞いてもらえない、聞きたくない、

などの現象を引き起こします。

 

以前の記事で「フェイクニュース陰謀論」を紹介し、

陰謀論者の人が、自分に利益のある情報には陰謀が介在せず、

自分に都合が悪かったり、不利益な情報にだけ陰謀を主張する、

などの特徴を記事にしましたが、

今回は、それを心理学的に説明した本になります。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「バイアスとは何か」(ちくま新書

著者:藤田 政博さん

藤田さんは、主に社会心理学を専門にする学者の方で、

法と心理学の研究をされている方になります。

その専門通り、実際の裁判の中で、認知の歪みが何を引き起こすのか、

にも言及されています。

心理学そのものは、大学の専門になってきたのはこの30年くらいで、

さらに、この10~20年で、あらゆるジャンルへの心理学の影響が

示されていて、実社会でも活用が進んでいます。

 

ご年配の方は、後発の主要な学問ではなく、軽視したりする傾向も

見受けられたりしますが、現在は、人間が介在する学問には、

ほとんど心理学が影響する形になっています。

もし、おじいちゃん、おばあちゃんなどにお話して、

ご理解が得にくい場合は、それは先入観よりは、

情報のアップデートの問題かもしれません。

 

2.内容まとめ

一言で認知をゆがめる「認知バイアス」には様々な種類と効果がありますが、

その分類や解説、なぜバイアスがあるのか、などが

わかりやすく書かれています。

 

また、著者の専門である、法の現場での認知バイアスの影響に

触れられている部分は、とても興味深く、

加害者、被害者の認知バイアスと共に、裁判官や検察などの

認識の歪みが起こってしまう現象にも懸念しています。

 

偏見や先入観と捉えてしまうと、悪いことと捉えてしまいがちですが、

読み進む中で、バイアスを認識することで、

うまく付き合うというか、

折り合いをつけることに考えが及ぶように導いてもらえます。

 

3.感想とまとめ

認知バイアスについての様々な事象を知り、

自分にも他人にも起こることを知り、

認知バイアスによって起こり得る事象に対して、

冷静に対処することが大事だと認識させてもらえます。

 

よく他人の間違いを指摘するためであったり、

自分の優位性を示す、いわゆるマウントを取る為の知識の行使も

ネットでは多数見られます。

感情的に批判するよりは、ほんの少しだけマシかと思いますが、

このブログで紹介している書籍や知識は、

人間に誰でも起こることを客観的に解説しているものが多く、

そのような知識の行使は、適切ではないことが

知識を得ると同時に理解できるはずだからです。

 

認知バイアスは確かに、人間の曖昧さやいい加減さを示す事象ですが、

それを悪意的に捉えたり、自身の優位性の確保に使うよりも、

「上手に認知バイアスと付き合う」為に知るのが望ましい、

という筆者のスタンスには、大変賛同できます。

 

「役に立つ」イコール「他の人に勝つ」のではなく、

自分を豊かにすることで、自分にも他人にも優しくなれることが、

理想で、それに近づきたく、いつも記事を書いています。

 

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