一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

少しでも心のモヤモヤが晴れて、心が優しく、強く感じられるように。

「スマホ脳」の前に読みたい本【フリーズする脳】

0.はじめに

スマホ脳」という本がベストセラーとなり、

タイトルが一種のバズワードになっています。

内容がセンセーショナルだったり、

確かに、スマホを常に見続けている現代の生活が、

心にも身体にも、良いと思われるはずはなく、

その不安に、見事に上手くハマったな、と思います。

確かに、スマホ開発者の子どもが

スマホ使用を制限されてた、なんて話があったら、

切り取って使いたいし、大好きですよね。

 

今回紹介するのは、

国内の脳科学者が書いた、ネットが脳機能に与える

様々な影響を解説している本です。

 

スマホ脳」に比べて、

センセーショナルな内容を振り回すわけではないので、

タイトルや目次などは、地味かもしれませんが、

身近ながらも、放っておくと危険な症例が、

脳機能との関係がわかりやすく説明されている本なので、

これを読んだ後で、ネットやスマホと身体の関係の本を

読まれるといいと思うような、導入におすすめの本です。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

著者:築山 節(たかし)さん

築山さんは、脳神経外科を専門とされる医師の方で、

脳機能回復などに関わっていると紹介されています。

他にも、脳機能関連の書籍を出版されています。

 

2.内容まとめ

タイトルにある、「フリーズする脳」の

具体的な現象の説明を導入にして、

PC、特にインターネットを使うことで、

脳に起こる症状を、特にいわゆるボケ症状と比べながら、

脳科学の面から解説されています。

脳にかける負荷、劣化させてしまう脳の機能を挙げながら、

ネット依存がもたらす、脳の変化と影響を説明されてます。

 

もたらす影響や症状に対して、

具体的なケース症例をあげているので、理解が進みます。

よくいる職業、タイプの人が、ネットの活用から生じる様々な

良くない影響が、脳に起きている作用から原因を明らかにして、

改善点を説明される形で本は進んでいきます。

 

また、症例にあたる中で、ネットの活用が、

考え方や理解の仕方に変化が生まれていることも指摘しています。

単に怖さを並べるだけではなく、診断と、解決の流れ、

訓練方法なども丁寧に解説されています。

 

3.感想とまとめ

紹介されている「フリーズ」脳の様々なケースは、

周囲でもよく見られたり、自分でも当てはまってしまいそうな、

ハッとする症状が多く、うなづかされる場面が多い本です。

また、ネットの活用からもたらされる考え方の変化にもふれています。

 

特に、「知っている」という解釈に対する違いは、

とても興味深い内容でした。

知らない事をネットで検索すると、何らかの知識を補うものは

表示されるので、知っている気になり、

「知っている」ということが実際には、検索ワードと、

ネットに載っているということだけを伝えるのみで、

内容を人には全く説明できない、という症例を持つ患者の話は、

ちょっと極端な話ですが、十分に理解できる内容でした。

 

その他にも、思い出すことができなくなる話、

音や声を聞き分けることができなくなる話、

集中力がなくなり、人の話が聞けなくなってしまう話、など

脳の高次脳という、主に難しいことを行う部分の

劣化がもたらす作用とその影響で生まれる症状が、

専門的にならない範囲でわかりやすく説明されています。

 

ただ、ネットが悪いことだと、単純に断じたり、

ネットやコンピューターの作業が怖いと煽っているだけの本ではなく、

症例の解決の流れ、脳の機能を回復する訓練も紹介されていて、

日常のハードな仕事で、疲れがたまり、脳の機能が偏ってしまって、

この本に紹介されている脳の「フリーズ」状態を感じた時に、

いち早く気付いて、チェックできる様に、

と意図されていることに触れられているので、

とても読み終わりもいい本だと思います。

 

関連記事

hanasakutarou.hatenablog.com

hanasakutarou.hatenablog.com