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怒っている人の、脳の状態を知る【もうイライラしない! 怒らない脳】

0.はじめに

今日も、テレビやネットでは、

色々な人が世の中に怒っています。

 

以前の記事で、ネットでの誹謗中傷は、

脳への自傷も伴う危険性があることを紹介しました。

hanasakutarou.hatenablog.com

今回は、脳が怒っているときに、どのような状態になっているか、

また、怒りにくい脳の使い方について、わかりやすく

解説されている書籍を紹介させていただきます。

 

怒られることが、脳に良くない影響が出ることは、

広く知られるところになってきました。

特に子どもの発育時に受ける影響は、かなり深刻であるという

専門家のデータも出て、それを受けて育った子どもたちの

発達の影響などが紹介されている書籍もベストセラーになっています。

 

では、怒る側は脳はどのような状態になっているのでしょうか。

そして悪い影響があるなら、それを防ぐことはできるのでしょうか。

その疑問の解消につながる一冊だと思います。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

もうイライラしない!

怒らない脳 怒る自分、キレる他人に対処する科学的メソッド

著者:茂木 健一郎さん 

著者の茂木さんは、脳科学者で、
たくさんの著書や、テレビ出演で有名なので、
ご存じの方も多いと思います。
脳科学をわかりやすく、一般に広めた功績が高い方だと思います。
 

2.内容まとめ

怒ることに関しての、著者のエッセイ的な話題から入り、

怒りと、脳の作用の解説に入ります。

 

本来、怒るのは、動物がテリトリーを守り、防御や攻撃を行うことで、

自分の生存を守る為の重要な本能であったものが、

徐々に人間が社会生活の中で、怒りが感情の一つとして、

変化してきたことが解説されています。

 

また、脳の前頭葉という部分が怒りのコントロールに関わっている事、

怒りの状態では、脳の機能の連携が損なわれてしまい、

正常な能力が発揮できないこと、怒りが怒りを招き、伝染してしまう仕組み、

怒りとリラックスを生み出す脳内物質、怒りを生み出しにくく方法

そして、怒らないことの習慣化につながっていきます。

 

最終章では、著者が「怒る」ことをキーワードに、

現在から未来につながる考察を行っています。

この本では、あまり専門用語を使わずに、わかりやすい説明が

行われています。

 

3.感想とまとめ

全体的にとてもわかりやすく書かれているので、

気軽に読み進めていきやすい本です。

ただ、エッセイ的な部分も多いので、著者の好き嫌いで

本の評価が分かれるところはあるかもしれない本だと思います。

 

怒りやすいのは性格の問題だと考えがちですが、

性格に関わらず、脳の前頭葉の使い方による、というのは

初めてふれた表現でした。

多くは、子どもの間に前頭葉の使い方は決まるそうですが、

大人になってからも、怒らない前頭葉の使い方が

できる方法も解説されています。

 

怒らない習慣化で興味深かったのは、

「成功した人を祝福する」の項目のところでした。

先の東京オリンピックパラリンピックでもよく見られましたが、

トップアスリート同士が、お互いを賞賛し合う光景です。

必ずしも負けたアスリートが勝ったアスリートを賞賛するわけではなく、

勝った人も、負けた人もお互いに健闘をたたえ合っている様子ですが、

それは、より高い次元でパフォーマンスを発揮する、

トップアスリートの脳の使い方に繋がっているそうです。

 

負けた人は、悔しがった方が次につながる、と考えがちですが、

悔しいというのは、自分に怒りを向けている状態に過ぎず、

やる気とは違う状態だそうです。

お互いに喜び合い、賞賛し合うことで脳を快適な状態にした方が、

次の高いパフォーマンスにつながることを知っての行動だと

解説され、納得できます。

 

このブログでもよくヤフーニュースのことを書いていますが、

ニュースの見出しの横には、コメント数が小さく列記されています。

数日サッと見続けると、すぐに一つの傾向が浮かびます。

賞賛や、おめでたい喜ぶニュースよりも、

怒ったり、批判したりするニュースとコメント数が格段に多いのです。

おめでたいニュースにも、明らかにひがんでいるコメントも多いので、

大きなお世話ですが、もったいないことをしているな、と感じます。

いいニュースにあやかって、自分の調子も上がるなら、

とてもいい、ネットの使い方だな、と思います。

 

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