一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

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ネット民の本質を当てている本【ウェブはバカと暇人のもの】

0.はじめに

ネット、Webなどの関係の本は、

技術革新に伴って、陳腐化が早いジャンルになります。

新しいハード、アプリ、プラットフォームなど、

最新のものを理解し、活用するための本が、

本屋さんのコーナーには並びます。

 

そんな中で、今回紹介するのは、

約10年前のネット関係の書籍です。

ネット関連で10年前だと、古い本になってしまうことは

間違いないのですが、

読み返してみると、かなり本質は突いていた本だったことを

再認識させられたので、紹介させていただきます。

 

10年前だと、ネットは確実に普及していましたが、

まだガラケーの人も結構いる時代です。

SNSのプラットフォームも今とは異なる部分もあります。

なので、技術的な話で物足りないところがありますが、

ネットと人間についての関係は、読むべきところが多い本です。

 

10年前についた本質で、今も継続しているなら、

ひょっとすると、あと10年、20年後も当てはまるのでは、

そんな考えも浮かぶ本になります。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

ウェブはバカと暇人のもの」 (光文社新書)

著者:中川 淳一郎さん

 

中川さんは、広告代理店から、テレビ雑誌の編集者を経て、

現在はネットニュースの編集に携わっているライターの方になります。

なので、広告関係全般に通じた意見が、他の図書でも見られます。

ビジネス書などの書評は厳しく、

トークイベント「ビジネス書ぶった斬りナイト」の様子も含まれている、

共著を出版されています。著書内では、その一部で、

ネット時代こそ、読書で差をつけようというということが書かれています。

この書籍は、別記事でも紹介しています。

hanasakutarou.hatenablog.com

 

2.内容まとめ

著者の視点で、ネットユーザーの傾向や特徴、

ネット広告やネットでの企業戦略、

最後にネットとの付き合い方へと話が展開されていきます。

 

業界人が書いた、当時のネット論になるので、

技術的に古い部分、新しいプラットフォームが解決した内容なども

ありますので、そこはあまり目くじら立てずに読み進めていく部分に

なるかと思います。

 

業界の方にはなりますが、著者のエッセイ的な書籍になるので、

科学的、論理的という視点でもないですが、

反面、面白く読み進められる本だと思います。

 

3.感想とまとめ

読みどころは、序盤から中盤までの

いわゆるネット民の特徴は今でも同じで、

多分、今でも同じ人が同じようにネットのヘビーユーザーを

続けているのだろうと考えてしまいます。

 

個人的な興味は、この著書内のヘビーユーザーは

現在のヤフーコメント(ヤフコメ)やツイッターで見られる

ユーザーのコメントなどには、かなり特徴が一致するのですが、

10年間以上、ネットのヘビーユーザーを続けているのか、

その嗜好の人が年代に関わらず、ネットに集まり続けるのか、ということです。

おそらく、その両方だろうとも思われるのですが、

年代に関わらず、いわゆるネット民が同じ傾向を示すのなら、

この先も、この著書の傾向は継続し、

同じユーザーの継続の方が多数なら、いずれ、

この著書内のヘビーユーザーは、歳をとっていくことになり、

いずれは、その傾向は薄れていくことになります。

 

また、著書内で、言い当てていて現在にも続く面白い傾向は、

テレビとネットの関連です。

YouTubeツイッターコメントなどもソースには加わっていますが、

ネットが、テレビの感想をやりとりする場所を

提供していることは、いまだに継続しているからです。

テレビはオワコンといいながら、

ネットニュースとコメントの相変わらず多数は、

テレビ番組を再度ネットニュースにして、

テレビの感想を含めてのコメントコーナー、

意見交換の場として、テレビを補完する機能を果たし続けています。

テレビとネットニュースの両方に関わった著者ならではの視点ですが、

論調も痛快で、機会があれば一読されると面白い本だと思います。

 

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