一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

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ネット民が盛り上がる記事とは?キーワードは「他人の得が許せない」

0.はじめに

毎日、様々なニュースが流れていく中で、

いわゆるネット民が強く反応する種類の記事があります。

コメント数が多くなったり、リツイート数が多くなったりします。

盛り上がる記事には、一定の傾向があり、

記事を発信する側のマスコミ側も、その傾向に寄せて、

記事を書き、発信してきます。

結果、その傾向の記事は、ネットにあふれることになります。

そのキーワードは、「他人の得が許せない」です。

今回は、そのキーワードについて論じて、

2019年に話題となって、後にその続編も出た記事を紹介します。

 

今回の目次です。

 

1.他人の得が許せない、とは?

2019年の後半に雑誌で話題となった記事がありました。

dot.asahi.com

雑誌の記事としては反響が大きく、

この記事以後、「他人の得が許せない」をキーワードに検索されると、

多くの方の考察や記事が出てきます。

 

記事の内容としては、

以前、「フリーライダー(タダ乗り)を許さない」心理が

いじめ、ネットでの批判コメントの大きな原因だと書きました。

単体では弱く、集団で生活しないと、外敵から身を守れない、

人間が備えてきた習性の様なものだという内容です。

 

ただ、この記事では、それが一歩進んでしまって、

自分の損得に関わらず、他人の得が許せない、

そんな人々たちの様々な事例が挙げられています。

 

・おかわり無料の白ご飯を有料にしたら、普段おかわりをしない人から、

 不公平だと、クレームが出た話

・身障者の国会議員が当選したので、国会議事堂を

 バリアフリー化しようとしたら、税金を使うのは不平等だから、

 使う議員の自己負担にすべきという意見が出た話

・自分より出席率が悪いのに、テストの成績が良い人が許せない学生

・自分の方が早く結婚をして、子どもを欲しがっていたのに、

 後から結婚した夫婦が先に子どもができたことが許せない女性

・若い人をねたみ、いじめを繰り返して職場を追われた年配の女性

 

という例や、なぜそんなことが起きてしまうのか、

心理カウンセラーや宗教家などの話も交えて紹介しています。

 

2.「他人の得が許せない」の続編記事

 その約2か月後、続編記事が組まれました。 dot.asahi.com

この記事では、さらに「ねたみ」について論じています。

タワーマンションが水害で停電した時に、

 SNSで「タワマンに住む裕福な人が困るのは愉快」というコメントが

 多く見られたこと

・保育園の無償化に不満を感じる人たち

生活保護受給者への不満

の事例などを、心理学者、精神科医などのコメントを交えながら

論じています。

 

3.共通する思考

「間違った平等感覚」「多くの場合は弱者の行動は正しい」

「自分が他人より上である」「ルサンチマン」「自己絶対化」

という気持ちが根底にある、と論じています。 

ルサンチマン」、「自己絶対化」については、別の記事で取り上げています。

 

4.ネットでのコメントを読み解く

この「他人の得が許せない」をフィルターにかけて、

ネットのコメントを読んでみると、かなりあてはまります。

ああ、こういう心情でコメントが書かれてるんだろうなあ、

と自分で思えること(必ずしも当たって、理解できてる、とは限らないので)

で、ネットで流れ続ける、色々な非難、批判コメントの、

悪意に飲み込まれることなく、区別・識別できるようになります。

残念ながら、一方的に発信されているコメントに対して、

書いた理由を正確に知ることはできず、読む側の一方的な分類行為に過ぎない

こともあらかじめ述べておきます。

 

「不平等な利益を得ているから許せない、だから批判する」

「自分の方が上(年上、経験が上、知識が上、能力が上)なはずなのに、

 相手の方が利益を得ていると感じられるから許せない、だから批判する」

「努力を続けている自分よりも、早く報われている人が許せない、だから批判する」

 

分類をできたことで、批判コメントばかりのネット社会が改善するわけ

ではありませんが、

少なくとも、知ることで、

自分の中で起こる、同じような心理状況を察知して、

その表現を自分が、行うべきか、行わないべきか、は判断しやすくなります。 

 

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