大人が読んでおきたい、いじめ関連のおススメ書籍3冊
0.はじめに
大人が子どものいじめに遭遇してしまうのは、
教員など関係者以外の方の場合、
大体の場合、突然になってしまうと思います。
・子どもがいじめられてるのを知った時
・いじめていることを知った時
・傍観者となっていることを知った時
ご自身が子どもと直接関わってなくても、
親戚の子どもの話を聞いたり、近所でなどで見てしまったり、
また、会社など、大人同士の集団でも同じことはあるかもしれません。
これまで、いじめを考える書籍を紹介させていただきましたが、
その中でも、今回は大人が読んでおく、おススメの書籍を紹介いたします。
事前に読んでおければベストですが、
タイトルだけでも覚えておいてもらったり、
せまった時に、こんな記事あったな、と思い出してもらえば、
非常にうれしく思います。
また、とりあえず本棚に置いておこうか、ということでもいいかと
思うぐらい、おススメの本です。
自分たちには関係ない、と思ってしまうほど
(他の記事で「正常性バイアス」を紹介していますが、
自分だけはトラブルに遭わない、逢いにくいと思い込んでしまう心理作用)
起こった時にショックなので、
まずは、誰にでも、起こりえると捉えるところからスタートだと思います。
今回の目次です。
- 0.はじめに
- 1.子どもを救う いじめが終わる方程式(学術出版)
- 2.「子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本」(主婦の友社)
- 3.「いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか」(講談社現代新書)
- まとめ
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1.子どもを救う いじめが終わる方程式(学術出版)
著者:品田 奈美さん
いじめる側の人にも、いじめられてる側、また傍観者をなってしまっている人も
同じメソッドでその根を変えていこうという、
いじめ防止プログラム、「自分発見テクノロジー」(いじめが終わる方程式)
という独自プログラムを提唱し、実演内容も記されている書籍です。
いじめが起こる理由を、いじめる側、いじめられる側の両方から解説し、
そのきっかけが何であったのか、どう考えてそれが起こらない様に
するのかが実演形式で書かれています。
広く講演も行われているので、講演を聞かれてもとてもいいと思いますが、
これまでにない方法で、いじめ防止にアプローチする、
とても貴重かつ、いい書籍だと思います。
2.「子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本」(主婦の友社)
必ずしも、いじめだけではないですが、子どもが「学校に行きたくない」と
言った時に、どのような対応をするといいのかが
わかりやすく具体的に、大人の目線で書かれている書籍です。
特徴的なのは、子どものSOS発信を受けて、
親もショックであったり、動揺をしてしまう訳ですが、
大人側の心情へのフォローも行われている点です。
どうしても、大人が常に準備した状態で子どものトラブルが起きる
訳ではないので、聞いた時の大人のショックと思い込みが、
初期対応のまずさと、子どもの傷を深くしてしまうことを
招いてしまうことを防ぐための行動・方法が書かれています。
まずは大人が重たくなりすぎないように、
イラスト、マンガを入れながら、読み進めやすく構成されています。
思い込みが入りすぎない様に、チェックリストを使いながら、
振り返りを入れられる配慮も行われていて、
どうしても感情的になってしまいがちな対応を
SOSを発信する相手に効果的に寄り添うことが目指されている本です。
初期対応のところだけでも、目を通してみることをおススメします。
3.「いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか」(講談社現代新書)
著者:内藤 朝雄さん
いじめがなぜ起こってしまい、エスカレートしてしまうのか、
が解説されています。
仕組を知ることで、よりエスカレートさせないことに繋がります。
著者は、子どもいじめの大きな理由の一つが、
どうしても、相性・適性ごとではなく、
管理上の都合から、子どもを一定のクラス編成に組み込んで、
「仲良く」を強いるところに問題があると指摘しています。
大人の社会だと取りやすい、「相性が合わない人との距離」
が取りにくく、「クラスはみんな仲良くしなくてはいけない」
ということが、子どものストレスを生み、
いじめが発生した後の、いじめのエスカレートの過程にも、
協調性の無理強いが関係していると解説されています。
先述の距離の取り方に、学校に行かないことも一つの選択肢、
となり得ることもあり、この本で解説される、
いじめの構造は、参考になると思います。
実際には、大人のいじめでも、距離感が取れない関係性で、
必要以上の協調性が求められる時に発生しているケースが
多く見られるので、単に子どものいじめとだけ捉えずに、
日常の知識としても、知っておかれるといいことが書いてある本だと思います。
まとめ
単純に、いじめを悪いこと、いじめをする人が悪い人、
悪いことをする悪い人にならないように、に終始するだけの
安易な二元論が、差別も、いじめもなくならない
大きな理由の一つだということは、多くの書籍で述べられていることです。
誰にでも起きて、また自身も常に関係している事を
認識することが最初の一歩だと思います。