一方的な批判・非難ばかりのSNS、いじめについて考える読書ブログ

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ネットで見られる極論のテンプレートとその検証【日本を蝕む「極論」の正体】

0.はじめに

SNS、YouTubeでは、社会批判に関して、

とにかく極端な意見やコメントがよく見られます。

また、それに影響されていると思われるコメントも

さらに多く見られます。

 

一般的に、多く見られる批判のテンプレートは、税金を用いた批判です。

もちろん、税金を適切に透明性高く使ってほしいですが、

税金を払っているから、「納税者は神様」といわんばかりに、

思い通りに使わないことに文句を並べるパターンです。

納税者は税金の使い方に絶対的な正義を持っているから、

何を言っても正当化される、いう感じでしょうか。

言い続けることも大事なことを理解した上でも、

記事を読みながらコメントが想像できてしまうニュースも

たくさんあるかと思います。

 

今回紹介させていただくのは、

その中で、もっと極端な理論・コメントと、

そのコメント内容の根拠と検証を行っている書籍です。

 

一冊を通して、ネット上に溢れる、極端なコメントの根拠の理解に

役立つ書籍だと思います。

残念ながら、私はYouTubeで見た以外で、

面前でその極論を顔出しで直接話す人に私は会ったことがなく、

集会などにも参加した経験はないので、

ネット内の知識で終わってしまうかもしれない懸念は

前もってご了承下さいませ。

 

今回の目次です。

 

1.紹介する本

「日本を蝕む「極論」の正体」(新潮社)

著者:古谷 経衡(ふるや つねひら)さん

著者の古谷さんは、ネットでの言論・思想に出版をされている

ライターの方です。ネトウヨ関係などで、テレビ解説の出演を

よくされているので、ご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれません。

 

2.内容まとめ

序盤で、「極論」が生まれてしまう環境を解説しています。

極端な思想は、ネットだけに限った話ではなく、

日本の歴史上でも、世界中でも起きていますがその特徴にふれています。

後に各論に入っていきますが、

・教育現場の極論

日本共産党の極論

・TPPに関する極論

・バブル時代を賛歌する極論

・地方消滅の極論

プレミアムフライデー

日本会議に関する極論

・男系、女系に関する極論

について、極論の内容説明と検証が行われています。

極論の内容は、確かにネットでよく見る内容で、

どこかでその影響を受けたのだろうな、という意見は

ネットの色々なところで見られます。

 

3.感想とまとめ

著書内の随所で、極論が生まれる環境・プロセスについて

以下の様に解説されています。

ごく簡単に言えば、競争のない、閉鎖的な集団や組織から極論は常に発生する。

外部からは見えづらい、つまり第三者から監視・監査されない「内向き」の

組織や団体の中での物言いは、次第に極論となり沸騰してくるが、

その内部にいる人間たちには正論として信じられてしまう。

これは、ネット上だけではなく、現代ではカルト宗教、

過去では、あさま山荘事件など、思い浮かぶ方も多いかと思います。

 

また、巻末では

本当に真っ向から100パーセント正しい、信じて疑わないのであれば、

自分たちの正当性を毎日毎日主張したりはしない。

自明のことは表明されない。

(中略)

だから彼らは、自分たちの極論に同調してくれる人間をすぐに

「仲間」とか「同士」とか言って歓迎する。

実は、己の正当性を承認してくれる他社を求めているのだ。

と、解説し、極論を発する人の心理にふれています。

また、自分の主張は強く行うけれども、批判と議論は受け付けない

ネトウヨ、パヨク」と呼ばれる人たちに特徴的な傾向も示しています。

 

それぞれの極論の検証については、各論ごとの他の書籍なども

読み込んで考える必要はありますが、大変参考になると思います。

 

SNSでも、YouTubeでも様々な方が、

注目される為に、特徴的な発信に溢れています。

もちろん、良い意味で突き抜けた優れた発信も多く見られますが、

反面、そうではない常軌を逸した発信も多く見られます。

極論は一時問題になった「バカッター」「バイトテロ」と呼ばれる、

強い承認欲求に基づく行動への共通点も感じさせます。

 

途中では、著者のパーソナリティにふれる部分もあり、

歯に衣着せぬ物言いながらも、親しみやすく読めてしまう記述もあります。

著者の他の著書も気になってくる一冊です。

 

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